財務諸表とは
財務諸表(Financial Statements)とは、企業の財政状態・経営成績・資金の流れを体系的にまとめた報告書です。投資家が企業の実態を把握するための最も重要な情報源であり、以下の3つが「財務三表」と呼ばれます。
| 略称 | 正式名称 | わかること |
|---|---|---|
| PL | 損益計算書(Profit & Loss) | 一定期間の売上・利益・費用 |
| BS | 貸借対照表(Balance Sheet) | ある時点の資産・負債・純資産 |
| CF | キャッシュフロー計算書(Cash Flow) | 現金の入出金の流れ |
損益計算書(PL)の見方
PLは「その期間にどれだけ稼いだか」を示す表です。上から下へ順に費用を引いていく構造になっています。
| 項目 | 内容 | 投資で注目する点 |
|---|---|---|
| 売上高 | 本業で稼いだ収入 | 成長率が重要。前年比+10%超が高成長の目安 |
| 売上総利益 | 売上-売上原価 | 粗利率が高いほど競争優位性が高い |
| 営業利益 | 本業の利益 | 本業の稼ぎ。営業利益率が持続的に改善しているか |
| 当期純利益 | 最終的な利益 | EPSに直結。ROE計算の分子 |
重要: 売上高は増えているのに利益が減っている場合、コスト管理に問題がある可能性。逆に売上横ばいでも利益率が改善していれば、事業効率化が進んでいる証拠です。
貸借対照表(BS)の見方
BSは「ある時点での企業の財産目録」です。左側(資産)=右側(負債+純資産)が常に等しくなります。
| 区分 | 内容 | 投資で注目する点 |
|---|---|---|
| 流動資産 | 現金・売掛金・在庫など1年以内に現金化できる資産 | 流動比率(流動資産÷流動負債)が1.5以上が目安 |
| 固定資産 | 設備・建物・投資有価証券など | 減価償却費とのバランスを確認 |
| 流動負債 | 1年以内に返済が必要な借金 | 流動比率を確認。短期借入金の急増に注意 |
| 純資産(自己資本) | 株主に帰属する財産 | PBR計算の分母。自己資本比率が50%超は健全 |
キャッシュフロー計算書(CF)の見方
CFは「実際にお金がどう動いたか」を示します。利益が出ていてもキャッシュが枯渇すれば企業は倒産するため、利益とキャッシュは分けて考える必要があります。
| 区分 | 内容 | 健全な状態 |
|---|---|---|
| 営業CF | 本業からの現金収支 | プラス(稼げている) |
| 投資CF | 設備投資・株式取得などの収支 | 通常マイナス(成長投資) |
| 財務CF | 借入・返済・配当などの収支 | 配当増・借入返済ならプラス評価 |
最も重要なのが「フリーキャッシュフロー(FCF)=営業CF-設備投資」です。FCFがプラスで増加傾向にある企業は、内部留保や増配・自社株買いの余力があります。
投資判断に使えるチェックポイント
財務三表を組み合わせた実践的なチェック項目を紹介します。
| チェック項目 | 確認方法 | 目安 |
|---|---|---|
| 成長性 | PLの売上高成長率 | 前年比+8%以上が高成長 |
| 収益性 | PLの営業利益率・ROE | ROE 8%以上、営業利益率10%以上が優秀 |
| 財務安全性 | BSの自己資本比率・流動比率 | 自己資本比率40%超、流動比率1.5超 |
| キャッシュ創出力 | CFのFCF水準 | FCFがプラスで安定的に増加 |
| 割安度 | PER・PBR | 業種平均と比較して割安か |
注意: 単年度の数字だけでなく、3〜5年間のトレンドを見ることが重要です。一時的な特別利益・特別損失に惑わされないよう、「経常利益」「営業利益」の継続的な推移を重視しましょう。